洋梨のようなニュアンスとほのかに樽香が立ち昇り、空気に触れると甘いスパイスも入り混じる。オリエンタルなシャルドネ。口に含むと非常にリッチで力強く、オイリーで白い果実味の長い余韻。最後に石灰質のニュアンス。
ジェノ・ブーランジェール ピュリニー モンラッシェ レ ノロワイエ 2021 【白】品種:シャルドネ 1974年創設の注目のビオブルゴーニュ生産者
このドメーヌの歴史は、パリで薬局を営んでいたある家族がブルゴーニュでワインを造りたいという思いを形にしたことから始 まった。
1974年、シャルル-アンリ・ジェノとその妻マリー・ブーランジェールは夢の実現のためにパリからムルソーに移住。そしてメルキュレに 念願の最初の畑を得てドメーヌを設立した。1998年には、コート・ド・ニュイ、ボーヌ、コート・シャロネーズに広がる計30アペラシオン、 22ヘクタールの畑を所有するまでに拡大した。
現当主は、4代目のオード・ラヴォレと、その夫のギョーム。熱意ある二人は2008年の彼らのファースト・ヴィンテージから、 それぞれのパーセル、ブドウの株毎に合わせた品質管理をおこない、 堆肥の使用や薬草の植栽など土壌の活性化を図った。また、ブドウの木の 成熟と衛生のために剪定、摘芽、パリサージュ(ブドウ樹を支える ワイヤーの高さ調整)はしっかりと行う。それは「丁寧な畑仕事なし によいワインは飲むことが出来ない」という創立者シャルル・アンリ の哲学とも合致する。彼らは試行錯誤の結果、自然と土壌を尊重するブドウ栽培を目指し、 ビオディナミへの転換を決意。2018年にはAB認証(Agriculture Biologique)を取得している。
セラーでは、なるべく人手を加えないという考え。彼らの哲学は、 比類の無いテロワールを表現し、素晴らしいブルゴーニュのクリマを 抽出すること。バランス良く、若いうちに飲んで美味しく、かつ4、5年 寝かせた後に別の次元の魅力が現れるワイン造りを志向する。
白ワインは、アペラシオン問わず、パワフルさとフレッシュさのバランス が良いものを目指す。収穫は手摘み。ブドウは全房のままプレスし、 軽く沈殿させた後、オーク樽にて自生酵母で発酵の後、熟成。熟成前 酸化を避けるため、バトナージュはしない。12か月の熟成の後、澱引き、 タンクに移しさらに6か月熟成。テロワールが表現されながらリッチ さと、柔らかさ、エレガンスを兼ね備えたワインになる。
赤ワインも全て手摘み。ヴィンテージによって全房比率を判断。 3~4週間かけて極力自然発酵。自生酵母は毎年同じにはならないた め、それもその年の特長となる。柔らかい抽出を目指し、ピジャージュ の回数はキュヴェとヴィンテージによって調節。続いて12カ月間 オーク樽で、その後6か月ステンレスタンクで熟成させる。