アカシアなどの白い花、柑橘類、蜂蜜、ヘーゼルナッツ。タイトなボディで調和のとれた酸味とミネラル。アタックこそ果実の柔らかみが感じられるものの、全体的にピュアでストレートな印象。エレガントな白ワインに仕上がっている。
ポール ガローデ ピュリニー モンラッシェ 2020【白】品種:シャルドネ モンテリーの元生産者組合会長
50の坂を越えたポール・ガローデは四半世紀以上もモンテリーの生産者組合会長を務める、この村の重鎮。ヴォルネイとムルソーに挟まれ、いささかマイナーなこのアペラシオンのPRに日夜奮闘する。
お膝元のモンテリーに4つの1級畑を所有するだけでなく、ヴォルネイ、ポマール、ムルソー、ピュリニー・モンラッシェにも畑を所有。
総面積は10.5haで5.5haが赤、5haが白だ。テロワールの特徴を引き出すため、農薬の使用を可能な限り抑えたリュット・レゾネでブドウを栽培している。「ブドウの状態に応じたレシピのないワイン造り」がポール・ガロデのポリシー。
低温マセレーションやキュヴェゾンの期間、ピジャージュの頻度などは決まっていない。赤ワインの場合、ブドウは完全除梗。樽熟成では毎年およそ3分の1の樽を入れ替えるが、新樽率もワイン次第だ。樽熟成期間はヴィンテージとアペラシオンに応じ、12〜18ヶ月といったところ。清澄なし、無ろ過。軽く冷却をかけて瓶詰め。こうすることにより、果実味を損なうことなく、きれいな色艶を保つことが出来るという。
白ワインは優しく圧搾し、デブルバージュの後に樽詰め。アルコール発酵、マロラクティック発酵も含めて12〜18ヶ月間、ワインと澱を接触させ、2週間ごとにバトナージュを行う。清澄の後、軽くろ過をかけて瓶詰め。10年ほど前から息子のフローランもドメーヌでのワイン造りに参画し、父ポールをしっかりサポート。
ふたりは「ドメーヌ・ガローデ・エ・フィス」の名で、ネゴスものの生産もしており、5年ほど前から始まったクレマン・ド・ブルゴーニュ(ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%)がこのラベルとなっている。ポール・ガローデのワインはモンテリーという村のように、派手さこそないものの堅実な造りで定評がある。
モンテリーの赤白はヴォルネイやムルソーに負けない酒質をもち、かつ価格的にもリーズナブル。レストランにおすすめのアイテムだ。