グレープフルーツやパッションフルーツなど、さわやかでエキゾチックな柑橘香。フレッシュで生き生きとしており、果実味たっぷりの味わい。ピュアな酸味もよいバランスを保つ。若いうちに楽しみたい、素直なワイン。
メヌトゥー サロン ブラン 2022【白】品種:ソーヴィニヨン・ブラン 酸味と果実味バランス
ムヌトゥー サロンはサンセールの西に隣接するアペラシオン。
サンセールとプイィ・フュメの陰に隠れて目立たない存在だが、ポートランディアンの硬い石灰石やキメリジャンの泥灰土など石灰質豊富なテロワールをもち、ふたつの著名産地に比肩するワインを生み出す。サンセール同様、ソーヴィニヨンによる白とピノ・ノワールからなる赤、ロゼが認められている。このムヌトゥー サロンにおいて、1560年から続く由緒正しき醸造所がドメーヌ・ド・シャトノワだ。
クレマン家により代々守り継がれ、現当主は15代目にあたるピエール・クレマンと夫人のイザベル。所有する60haのブドウ畑はキメリジャン土壌にあり、リュット・レゾネで栽培されている。品種は3分の2がソーヴィニヨン、3分の1がピノ・ノワール。2008年よりブドウの受け入れから瓶詰めまで、一切ポンプを使わず、重力の力のみで醸造行程の進む仕組みがとられている。白ワインは3種類。もっともスタンダードなキュヴェは、圧搾後、低温による安定化を経て、ステンレスタンクで自然発酵。翌年春まで澱と一緒に寝かせてから瓶詰め。
上級キュヴェの「ダーム・シャトノワ」はより熟したブドウを用い、ステンレスタンクで醸造。澱と10ヶ月寝かせている間にバトナージュを行う。トップキュヴェが「ピエール・アレクサンドル」。クロ・デ・トレイユと呼ばれる特定区画のブドウを使用。通常のキュヴェよりも2週間ほど収穫を遅らせ、過熟気味の状態で摘み取る。これを100%小樽発酵、12ヶ月間熟成させたワインだ。赤は2種類。スタンダードは100%除梗のうえ、ステンレスタンクで発酵。ピジャージュにより抽出。小樽に移してからマロラクティック発酵を施し、樽熟成期間は4〜6ヶ月間程度。新樽は使わず3〜5年使用したものを使う。上級の「トラデシオン」は除梗せず、100%全房での醸造。キュヴェゾンの期間も長い。これもマロラクティック発酵は樽の中で行い、樽熟期間はほぼ1年。こちらは概ね3分の1が新樽である。ロゼは全房のままダイレクトプレスによって造られる。ステンレスタンクで発酵。翌年の春まで澱とともに寝かされ、瓶詰めとなる。スタンダードなキュヴェであってもムヌトゥー サロンの底力がわかるシャトノワのワイン。
マイナー・アペラシオンと侮ってはならない。ラック・コーポレーション