ロベール・シュヴィヨンの赤ワインはいずれもその高い樹齢がもたらす濃密感や緻密さが特徴で、長期熟成のポテンシャルが高い。特級をもたないニュイのスペシャリストのため、これまではさほど顧みられることはなかったが、ここ数年の間に人気は鰻上りとなっている。カルト的な存在となりつつあります。
ニュイ サンジョルジュ ヴィエイュ ヴィーニュ 2019 ロベール・シュヴィヨン【赤】Gv:ピノ・ノワール 樹齢の古いブドウからの緻密で濃密な味わいが人気
ニュイ・サン・ジョルジュのお手本とも呼ぶべきドメーヌが、このロベール・シュヴィヨン。レ・サン・ジョルジュ、ヴォークラン、レ・カイユ、ロンシエール、ペリエール、プリュリエ、シェニョ、ブースロと、ニュイの南側と北側のそれぞれに素晴らしい1級クリマを有している。ロベールが父モーリスの下で働き始めた頃、ドメーヌの規模はわずか3haに過ぎず、それが今では13haまで広がった。樹齢はいずれも高く、平均して50〜75年。ヴォークランには樹齢100年にもなる古木が植わる。この高い樹齢が自然に収量を抑え、ブドウの凝縮度に貢献しているのだ。2000年に引退したロベールに代わって、今日、会社組織となったドメーヌの運営はふたりの息子、ドゥニとベルトランに任せられている。ドゥニがおもに栽培、ベルトランがおもに醸造を担当。ふたりとも寡黙な栽培農家といった風貌で、仕事に対するひた向きさがうかがえる。レ・サン・ジョルジュに加え、1892年にニュイの新しい村名を決める際、ニュイに組み合わせるクリマ名として、レ・サン・ジョルジュと最後まで争ったヴォークラン(つまりニュイ・ヴォークランが村名になる可能性もあった)と、レ・サン・ジョルジュの北に隣接するレ・カイユを合わせて、ベルトランはニュイの3大テノールという。どれもコート・ド・ニュイきっての重低音が効いたクリマだが、この3つの中ではレ・カイユが一番柔らかみがあり、ヴォークランがもっとも骨太。レ・サン・ジョルジュはその中間的な存在だ。こうした違いも、ロベール・シュヴィヨンのワインを並べて試飲すると一目瞭然に理解が可能となる。栽培法はリュット・レゾネ。選果は畑で行い、100%除梗。10〜15度の温度で1週間低温マセレーションのうえステンレスタンクでアルコール発酵。トータルで3週間〜1ヶ月の長いキュヴェゾンをとる。1級畑のワインはおおむね30%の新樽を用い18ヶ月間の熟成。マロラクティック発酵終了後と瓶詰め直前の2回澱引き。清澄なし、無ろ過で瓶詰めだ。
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