多くのワインガイドが、高い評価をおくる2017年ヴィンテージ。2015年のほうが豊潤で2016年のほうがエレガントかもしれませんが、2017年のシャトー・マルゴーはこれらの先行する偉大なヴィンテージに劣らず深み、複雑さ、力強さと長い余韻を備えており、過去の偉大なヴィンテージの流れを汲んでいます。9月の降雨にもかかわらず、予想を遥かに超える高い品質に達しました。偉大なテロワールには適応力があり、素晴らしい品質のワインを生み出す底力を秘めているということに改めて気付かされるました。
シャトーマルゴー 2017 【赤】Gv:カベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロー20%、カベルネ・フラン、プティ・ヴェルド5%
1855年の格付け以来5大シャトーの先頭を争うエレガントなボルドーワイン。パリ万博の際に行われた格付けでは、最高級の格付け第一級を獲得。さらに、その際に行われた20点満点のテイスティングでは唯一満点評価を受け、名実ともにボルドーワインの頂点へ登り詰めました。30年にわたりシャトー・マルゴーの最高醸造責任者を務めた故ポール・ポンタリエ氏は、シャトー・マルゴーを「ベルベットの手袋の中の鋼鉄の拳」と表現。そのように女性らしくも力強さを秘めたワインと形容される理由は、第1に優雅で香り高い、マルゴー特有のエレガンス。それに加えて、たっぷりとした果実味と豊富なタンニンを備えていることからです。ワイン愛好家を虜にするシャトー・マルゴーは、2006年からマルゴー特有のエレガンスを最大限に引き出す為、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を高めており、造られるワインも新樽比率100%というこだわり。また収穫においても選果をさらに厳しくし、ファースト・ラベルに使われるブドウは全体の僅か35%前後です。最高のテロワールで育ち、極めて厳しい選果をクリアした珠玉のブドウだけをグラン・ヴァンに使用しています。ポンタリエ氏が「上質なブドウ果実が手に入れば、醸造はその最高の表現を引き出すことに全力を尽くすだけだ」と語るように、最高のテロワールで最上のものを造るために、栽培から醸造まで全てを徹底しています。そうして生み出されるのがグラン・ヴァン、シャトー・マルゴーなのです。