手摘みで収穫したブドウを手作業で除梗した後、ダイレクトプレスして、温度管理を行わずに、ステンレスタンクで野生酵母のみで自発的にアルコール発酵。引き続き、ステンレスタンクでシュール・リーの状態でマロ発酵(自然に実施)と熟成。SO2やその他の醸造添加物は一切加えずに醸造。セリーヌとアルフォンス・ラヴァレはアルコール発酵の段階から混醸。グルナッシュは単体で醸造し、マロ発酵後にブレンドする。無清澄、ノンフィルターで瓶詰め。SO2 は瓶詰め後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め時に限り必要最小限のみ添加。
現行ロットは 2022 ヴィンテージ。収穫日はグルナッシュ・ノワールとセリーヌが 9/4。アルフォンス・ラヴァレが 9/8。アルコール度数 13.5 度。総生産量 2,640 本。2023 年 5 月時
点の SO2 トータルは 12mg/l。
*Alphonse Lavallée〈アルフォンス・ラヴァレ〉は マスカット・ハンブルグを親に持つ黒ブドウ品種で、フランスでは主に生食用のブドウとして栽培されています。ドメーヌでは、セリーヌと同じ区画で数百本のアルフォンス・ラヴァレを栽培しています。
*『Pipelettes ピプレット』とはフランス語で「おしゃべりな女性達」という意味です。ファビアンは、ドメーヌのワインを味わった人が笑顔で幸せになってもらいたいと思い、喜びとユーモアのある名前を各キュヴェにつけています。ドメーヌでの初めての収穫の間、ファビアンの妻と義理の姉が、彼の反対の畝でブドウを収穫しながらずっと話し続けていたことから、この名前を考えたそうです。
プティ・ボノーム ピプレット 2023【ロゼ】品種:グルナッシュ・ノワール 47.5%、セリーヌ 47.5%、アルフォンス・ラヴァレ 5%
プティ ・ボノームは Fabien Chanavas ファビアン・シャナヴ ァによって、南仏リュベロン地方 の La Motte d'Aigues ラ・モ ット・デーグに 2018 年に設立 されたドメーヌです。ブドウ畑は 隣接する Peypin d’Aigues ペ パ ン ・ デ ー グ と La Tour d’Aigues ラ・トゥール・デーグ の村にあります。栽培面積は 1.7ha で、グルナッシュ・ノワール、グルナッシュ・ブラン、グルナッシュ・グリ、セリーヌ(シラー の古代品種)を栽培しています。粘土石灰と粘土砂岩の土壌で、標高は 325~ 390m に位置しています。ファビアンは 1983 年生まれ。父がワイン関係の仕事をしていた ため、学業を修めた後、レストランで数年間サービスとソムリエの仕事をしていました。その 後、オランジュの醸造学校で学び、地元のコーペラティヴで醸造責任者として、また馬によ る耕作の担当として 10 年間働いていました。当時はナチュラルワインもビオディナミも実践 していませんでしたが、ファビアンはこの間に、ビオディナミを実践する造り手やナチュラルワイ ンの造り手を数多く訪問。ナチュラルワインの試飲会にも参加し、沢山のナチュラルワインを 味わい、ビオディナミとナチュラルワインに魅了されていきました。2015 年、ファビアンはコル シカに家族と共に移住。地元のビオディナミの巨匠、Comte Abbatucci コンテ・アバトゥッ チで、セラーマスターと馬による耕作担当として働き始めます。しかし、父の急逝に伴い、コ ルシカ島を離れ、地元リュベロンに戻ります。そして、2018 年の 2 月に地元で小さなブドウ 畑を購入。自分自身の理想のナチュラルワイン造りを始めたのです。フランス語で「faire petit bonhomme de chemin フェール・プティ・ボノーム・ド・シュマン」という格言があり ます。これは「地道に一歩一歩自分の道を進んでいく」ことを意味する表現です。ファビアン はヴィニュロンの仕事とは一日にして成るものではなく、様々な経験を重ねて少しずつ完成 されていくものであると考えています。また、初めて取得した小さなブドウ畑の区画のリューデ ィの名前がプティ・ボノームであったことから、ドメーヌ名をプティ・ボノームとしました。
ドメーヌの畑はビオロジック /ビオディナミで栽培されてい ます。畑の処方には、スギナ やイラクサ、アルファルファなど のビオディナミのプレパレーシ ョンを使用していますが、硫 酸銅の使用は可能な限り 少なくしています。ファビアン は特に畑を馬で耕作するこ とをとても大切に考えていま す。馬で耕作することによっ て畑の土が踏み固められる ことがなくなり、地中の微生 物の生命が自然に再生され るからです。また、ファビアンは馬と一緒に働くことで、動物と触れ合い、親密になれるという こともとても大事であると考えています。ブドウ木の畝の間は 2 匹の馬で定期的に耕作して います。ブドウ木の周りには自然に下草を生やすか、もしくは豆類などを一緒に栽培したり、 はちみつを作ってくれる花などを生やしています。収穫は手摘みで行い、厳格に選果して、 小さなケースで醸造所に運びます。 ワインは野生酵母で自発的に発酵させ、醸造添加物や SO2 は一切加えずに醸造さ れます。熟成後、無清澄、ノンフィルターで瓶詰めされます。ボトリング後のワインのネガティ ブな反応を避けるために、瓶詰め時に限り必要最小限の SO2 を添加します。ファビアンが 目指しているのは、過度な重たさのない、ピュアで、フレッシュ感とフィネスを備えたジューシ ーなナチュラルワインです。初めてのヴィンテージは 2018 年。フランスのナチュラルワインショ ップで引き合いが強く、毎年リリースと同時に完売するほどの人気で、1年待ちでやっと日本 への割り当てを確保し、輸入を始めることができました。スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ベ ルギー、オーストリアなどにも輸出されています。