醸造:手摘みで収穫したブドウを完全に除梗し、全ての品種を一緒にステンレスタンクで野生酵母のみで自発的にコーフェルモンタション(一緒に発酵)。醸造添加物は一切加えずに醸造します。マセラシオンは足によるピジャージュで、15 日間。その後、ステンレスタンクとコンクリートタンクでマロ発酵と熟成。無清澄・無濾過で瓶詰め。SO2 はボトリング後のワインのネガティブな反応を避けるために、瓶詰め時に必要最低限のみ添加します。
2021 ヴィンテージは9/17~18 に収穫。総生産量3,500 本。2022 年8 月時点のSO2 トータルは46mg/l。アルコール度数は13.5 度。
味わい:イチゴやチェリー、グレープなどの心地良い香り。瑞々しくフレッシュな口中には酸味のあるブルーベリーのニュアンスが感じられる。余韻にはクランベリーやレッドベリーのノートと共に心地良い旨味が広がる。
*キュヴェ名のクエスト・エ・イル・ヴィノ・ロッソ・デル 2021 は、直訳すると「これは2021 年の赤ワイン」という意味です。シンプルな喜びのために若木のブドウから造ったヴァン・ド・ソワフです。リッターボトルで王冠になっています。
セッテ クエスト・エ・イル・ヴィノ・ロッソ・デル 2021【赤】Gv:バルベーラ55%、シラー25、カベルネ・ソーヴィニョン20% 若木のブドウからの癒し系
Sette セッテは 2017 年に Gino della Porta ジノ・デラ・ポルタによって、Nizza Monferrato ニッツァ・モンフェッラートに設立されたナチュラルワイナリーです。ジノは 1973 年にローマ北部の小さな村で生まれました。両親が 4.5ha のブドウ畑を所有して、農薬を使わずにブドウを栽培していました。ブドウは全て地元の他の生産者に売っていましたが、自家消費用のために少量のワインを造っていました。そのワインは醸造添加物を使わない、今で言う「ナチュラルワイン」でした。このため、ジノは子供の頃から自然とナチュラルワインに触れ合う環境に育ったのです。しかし、1999 年に父が逝去。実家から遠く離れた場所に住んでいたジノは、やむなくブドウ畑は売却してしまったのです。
大学で現代文学を学んだジノは、2003 年までピサでコミック・ショップを経営していました。その後、小さなナチュールの造り手のワインのマーケティングとブランディングの会社を設立。レ・ボンチエやカッペッラーノ、マルコ・サーラ、イ・マンドルリなどのコンサルタントとして活躍していました。しかし、2017 年のある日、ニッツァ・モンフェッラートを訪れたジノは、あるブドウ畑を見て一目で恋に落ちたのです。その畑は、丘陵の南斜面に位置し、樹齢 25 年から 80 年に達するバルベーラ主体の素晴らしい畑でした。この時、ジノは天啓に打たれたように、長年、他のワイナリーのために働いてきましたが、自分自身でブドウを栽培してナチュラルワインを造るのに適切な時が来たと感じたそうです。
こうして、ジノは友人であり、共同経営者であるジャンルカ・コロンボ(バローロで自身のワイナリー経営)とともに、セッテを設立したのです。セッテはジノの中で湧き上がってきた創造的なプロジェクトです。新しい道を探検すること、新しい挑戦への興奮、そして新しい場所で自然と地球に貢献したいという願望から生まれました。
ワイナリー名の Sette セッテ(イタリア語で数字の 7 を意味する単語)は、錬金術の用語に由来しています。セッテとは「創造的な人」を意味します。到達したい目標、新しいプロジェクトをあったら、すぐに行動したくなってしまう人のことです。ジノ・デラ・ポルタとジャンルカ・コロンボの二人はまさにこのような性格でした。二人は生来の好奇心に動かされて、セッテを設立して新しいチャレンジを始めたのです。また、錬金術におけるセッテには父も母もいません。このため、地元の人達のように家族から継承した伝統もありません。二人は誰にも、地元の慣習にもとらわれず、自由に自分達の道を歩んでいるのです。
セッテでは、2017 年に実験的に醸造を行った後、完全経営の初年度である 2018 年からビオロジックで栽培を行っています。土壌の浄化と再生を助けるために畑にはアブラナ科の植物を植えました。さらに、土壌の複雑さと活力の増大を促し、侵食の防止にも取り組んでいます。2020 年からはビオディナミも導入しました。セッテのブドウ畑は、この地域では数軒程度しかない、背の高い樹木と果物の木がある希少なブドウ畑です。将来的には、このようなアグロフォレスティエールの植生を増やし、ブドウ畑に 40 種類以上の地元の果物や背の高い木を植える計画です。栽培面積は 7 ヘクタールで、17 の細かい区画に分かれて い ま す 。 栽 培 品 種 は バ ル ベ ー ラ が メ イ ン ( 5.2ha ) 、 そ の 他 に 、 モ ス カ ー ト(0.675ha)、グリニョリーニョ(0.45ha)、シラー(0.3ha)、カベルネ・ソーヴィニョン(0.3ha)、アルネイス(0.075ha)を少しずつ栽培しています。そもそも、ジノはバルベーラに深い愛着を持っていました。なぜなら、彼が自分自身でワイン造りをしたいと初めて感じたのは、トリンケーロのヴィーニャ・デル・ノーチェを味わって感銘を受けた時のことだったからです。現在のセッテの畑を購入したのも、畑のバルベーラの美しさに惹かれたからでした。もちろん、ヴィーニャ・デル・ノーチェとセッテの畑とは、テロワールもワインの個性も異なりますが、ジノは、トリンケーロのヴィーニャ・デル・ノーチェと、そしてカーゼ・コリーニのバルベーラが、ピエモンテで造られる最上のバルベーラであると考えています。そして今でも二人を尊敬してワイン造りをしています。セッテについて(4/4)ニッツァ・モンフェッラートは非常にユニークなテロワールで、ランゲよりもエレガントで酸と深みがあるバルベーラが生まれると言わ れ て い ま す 。 セ ッ テ の 畑 は DOCGNizza 域内にあるため、バルベーラで造る赤ワインは全てニッツアでリリースすることができますが、セッテでは畑の最上のバルベーラの区画から造られるキュヴェのみをニッツアでリリースし、その他のキュヴェは格下げして、バルベーラ・ダスティとしてリリースしています。また、若木のブドウはロゼに仕立てたり、エントリー・レンジのキュヴェにブレンドしています。ジノは、モスカートの名手エツィオ・チェッルーティとも交流があり、友人だそうです。彼のドライ・モスカートが大好きで、自分でもドライ・モスカートを造りたかったジノは、醸造について彼に教えを受けに行ったそうです。また、セッテの共同経営者であるジャンルカ・コロンボは、大学時代にロレンゾ・コリノ氏と一緒に共同で論文を執筆した間柄だそうです。セッテが目指しているのはナチュラルワインでも、揮発酸が高かったり、過度の酸化といったオフのない、テロワールを表現したファインワインです。現在生産しているキュヴェは全部で 7 種類。若木のブドウからリッターボトルのヴァン・ド・ソワフも造っています。セッテのワインは、エチケットもアーティスティックで、デビューと同時にヨーロッパで人気が爆発。デンマーク、スウェーデン、オランダ、ドイツ、フランス、ベルギー、オーストラリアなどに輸出されています。ヴァン・ド・ソワフの 2 種類のキュヴェ以外のエチケットは、ジノの友人であるアーティスト Arianna Vairo アリアンナ・ヴァイロによって、ジノの人生のインスピレーションである水をモチーフに描かれています。バルベーラとニッツアには、水の中にある 7 つの石が、その他のキュヴェには海の生物が描かれています。